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『天使の卵』感想 (2006/11/15up)  

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映画『天使の卵』を観た方、ぜひ感想をお聞かせください。掲載用のお名前(本名でもハンドルネームでも)・年代・職業も書き添えてくださるとうれしいです。

★★ネタバレ注意★★まっさらな気持ちで観たい方は、観終わった後にお読みください。
【11/10(金) TOHOシネマズ泉北】
いつも作品を楽しみにしています。今井さんの作品の特徴はおいしそうな食べもの。今回はあゆたくんの作るクリスマスディナーがとてもおいしそうでした。たべもので愛情を伝えられる男の子ってすてきですね。絵を描く人は料理も上手そう。彩りもきれいだし、盛り付けにセンスを感じました。普通の男の子にしては料理うますぎって思わないでもないけど、あゆたくんはきっと小さい頃からお母さんを助けて自分でごはん作ったりしてきたのかもしれませんね。チャーハンを作る姿も楽しそうでした。親子の仲のよさを感じるシーンでした。退院祝いのごちそう(まつたけごはん)はお母さんのうれしさが伝わってきました。(20代女・専門学校生)


【11/9(木) 神戸】
レディースデー1000円の日で、お客さんは主婦層が多かったです。原作をよんだときは、悲劇性が強く心にのこったけど、映画は違った。俳優さんたちの、表情、動き、言葉…風景や音楽の効果もあって、歩太や春妃、夏姫たちが、その時その時を一生懸命生きていることがビリビリと感じられて、愛しかった。一緒に行った友だちは「悲しいお話だけど、ちょっと春妃がうらやましいな」と話してました。(30代女)


【11/8(水) 埼玉】
主役の三人が豪華で美しかったのですが、私にはついていけない世界でした。どこまでが原作でどこまでが脚本なのかわかりませんが、なんか最後まで他人事で泣けなかったし消化不良でした。あんな恋をしたことないから?でもいつもは見た映画のことを思い出すことは少ないのに、この映画のことはなんか引っかかってます。泣ける映画じゃなくて考える映画?何が気になるのか、気になっている自分も気になる。もう一回見ようかどうしようか迷っています。映像はとてもきれいでしたよ。京都なんですね。(30代女)
【11/3(金) 東宝シネマズ泉北 10:15の回】
本を改めて読んでから出かけようかなと思ったのだけれど、時間がなく、そのまま映画に突入しました。原作がとっても透明感のある(現実なんだけど、どこか別世界のような感じ)作品だったように思うので、映画ではどうなのかな〜と思っていたのだけれど、主演者の皆さんも凄く素敵で、また原作と違った透明感がありました。一つ一つの言葉が、相手を思いやる気持ちでいっぱいで温かく、優しく、率直で、またそれが不器用さにつながり、そしてしっかりと重たく、心に残りました。もっと影の部分が目立って、多少どろどろしているのかな?とも思っていたのですが、意外にサッパリしてました(最近、変にどろどろしたものが多いから、嬉しかった)。また風景(京都だよね)や音楽も、とても良かったです。最後のシーン・歩太くんのキリリとした顔が、とても印象的でした。

今井雅子作品に共通して、「ピュア」という言葉が浮かびます。 ナンだろう?ちょっとファンタジックな世界、でも現実とは離れていない、そして見終わった後、ほんわか幸せになるのです。どろどろした人間らしさを描く人も居るだろうけれど、そういうものではなく、人間の芯(「真」とも言えるかも)の部分を、気持ちよく描いてくれています。また次回の作品を楽しみにしています。(30代女 パティシエ)
【10/30(月)池袋】
最後の最後まで見て、いい話だったと思えました。クレジットロールで完結するって新鮮ですね。愛読しているbukuに今井さんのコラム発見。(20代男 学生)

【10/29(日)東劇】
良くも悪くも絵を見ているような映画でした。人物も風景も非常に美しいけど入り込めない、入ってはいけないような。最近流行りの恋愛映画とは作り方が違う感じですね。わかりにくさ、とっつきにくさがあるのは否めませんが、小説を見る感覚で行間を読む映画だととらえると新しいかもしれません。通好みなのかな。旬の三人のキャスティングはゼイタクでしたね。(30代男 クリエイター)
【10/29(日)MOVIX堺 14:00の回】
旦那と見てきました。カップルが多かったよ!! 市原隼人君ってほんとかわいいよねぇ。人気あるのわかるねっ。沢尻えりかもこにたんもねっ。原作を読んでから行ったからわかってたけど・・・せつないよね・・・人を真剣に愛し続ける気持ち、懐かしかった(^0^;) そういう時もあったよねっ。昔、卵で子ども産めたらいいのにって思ってた(*^^)v 映画中いろいろ考えてて・・・絵も音楽ももちろん本とかでも人にいろんな元気くれるよねっ 絵書ける人羨ましかったもん。(30代女 銀行員)
【10/29(日)錦糸町TOHOシネマズ】
子ぎつねヘレンを気に入った友人を誘ってみたのですが、彼女はあまりのれなかったようです。ヘレンと違うと言ってました。原作も監督も違うから当たり前なんですが。ボクはどちらかというとこちらのほうが好みでした。沢尻エリカと小西真奈美めあてというのもありましたけど。それにしても罪な姉妹だ。。。帰りに小説を買いました。(20代男 広告)
【10/28(土)】
もー,期待以上にドンピシャリでした。自分でもよく分からない箇所で涙がボロボロ出てきました。一つ驚いたこと。冒頭のクレジットが出てくるシーンで,私の耳に飛び込んできた,マリンバの音。マリンバとは木琴の一種ですが,私は大橋エリさんというマリンバ奏者が大好きで,マリンバの音がすると反応してしまうのです。劇中の音楽は非常にシンプルでしたが,終始マリンバの音が効果的に聞こえてきて,演技もシナリオも,京都の風景も素晴らしいなかに,音楽が見事に色を添えていたと思います。で,パンフレットを買ってスタッフの一覧を見ていると,演奏の箇所に「高良久美子」さんの名前がありました。私は直接面識はないのですが(ライヴ演奏は一度だけ聴いたことがあります),エリさんによれば各方面で活躍しているマリンバ奏者とのこと。以前テアトル池袋で期間限定レイトショー公開された『マリンバ・アンサンブル』でも実際の演奏をしたのは高良さんだったそうです。パンフレットも単にシナリオが掲載されているだけではなく,情報も多いし,装丁もきれいだし,良いですね。

ホームページの日記に感想を書きました。転送します。

ついにやってきました。私が大好きな脚本家、今井雅子さんの劇場作品最新作。村上由佳さんの10年前の小説の映画化です。といっても、原作は読んでいませんが。もう、冒頭からスクリーンに引き込まれます。主演は市原隼人で、美大入学を目指す浪人生の設定から始まります。その恋人役が沢尻エリカ。この作品の前売鑑賞券の特典が12色色鉛筆でしたが、劇中で彼が描くのはもっぱら鉛筆のみによるスケッチ。冒頭のクレジットのシーンは、このスケッチです。冒頭は主要な出演者、監督、そして脚本家のみのクレジット。それほどこの作品にとって脚本家の存在は大きい。そして、この時も、そして全編音楽が印象的。といっても、楽器の少ない非常にシンプルなもので、なんとマリンバが効果的に使われています。マリンバ好きの私にはたまりませんね。

最後の最後まで意外に分かりませんが、実は京都が舞台。はじめの方のシーンで路面電車に主人公が乗り込みます。そこに後から乗ってきた女性が小西真奈美。彼は人目で彼女に恋してしまい、その夜、彼女の姿をスケッチし続けます。市原君を観るのは私は初めてでしたが、このスケッチのシーンの彼はとても良い。何度か、絵を描くシーンがありますが、その時の彼が一番良いですね。

彼の父親は精神病院に入院していますが、実はその担当医が小西真奈美で、しかも沢尻エリカの姉ということが分かる。そんな三角関係を非常に繊細に描く。それは台詞のみならず、映像の細部に細かい配慮がなされていて、観る方の神経もが研ぎ澄まされていくような作品。特に、ここ最近出演作が続く沢尻の演技はとても素晴らしい。もちろん、単なる演技ではなくその役どころが良いこともあるが、最終的に主人公の心は彼女から離れていくのだが、私の心はすっかり彼女に奪われてしまう。もちろん、小西真奈美の貫禄づいてきた演技も素晴らしい。また時間があるときに,シナリオをじっくり読み返しながら思い出したいと思います。(30代男 大学講師)
【10/27(土) 梅田】
パコダテ人の勝地涼くんにはじまり、ジェニファでは山田孝之くん、今回は市原隼人くんと独身三十路(と思ったら四十路突入)はときめきっぱなしです。私は楽しみましたが万人ウケはしないかな。ジェニファが好きな人は好きかな。美しい世界に浸らせるのであれば、もっと台詞は少なくても良かった。目で演技できる役者さんたちだし、音楽と表情で語らせたらもっとおしゃれになったと思います。(40代女 フリーライター)
【10/27(土) 福岡】
映像美はよかったです。ただ、率直に言って、どこか後ろめたさというか、夏姫に対する歩太の思いやりがあったほうがよかったと思いました。夏姫は現役大学生、歩太は浪人生で、時間的なすれ違いはあったと思います。しかし、付き合っているならば、夏姫と歩太との間で、春妃とのことでの葛藤のシーンがもう少しあったほうがよかったかなと思います。2回観ても、やっぱり夏姫がかわいそうでした。夏姫にとって、春妃は自慢のお姉さんで、小学生の夏姫が五堂の後を追って死のうとする春妃を助けるくらい大好きなお姉さんなのに、自分の大好きな彼氏を盗られてしまう。。。春妃も歩太の名前のとおりの一本槍なところに困惑していたが、いつの間にか。。。春妃の死もちょっと突然だったし、声をかけられなかったにしても、死ぬ前に春妃が毛糸屋さんにいるところを夏姫が見かけていたなら、そこはやはり思いきって春妃と夏姫の二人だけのシーンがあってよかったように感じました。よく考えると、仲のよい姉妹のはずなのに、春妃と夏姫の二人だけの絡みのシーンが作品の中に全くないのが気になりました。春妃と夏姫の二人だけのシーンがもっとあれば、もっと複眼的に歩太を観れたかもしれません。(三十代男)
【10/25(水) 大阪】
ドラマを見てから見たので予習はばっちり。芸術の秋らしい映画でしたね。天使はあんただよ歩太君。あのまっすぐな目で見つめて絵をかいてもらえたら幸せ〜〜〜。一緒に行った同僚と虹の女神も見に行く約束をしてしまいましたよ。(30代女 会社員)
【10/24(火) 大分】
静かな気持ちで観ることができました。歩太のデッサンのシーンは普段絵を描くことに無縁な私にはすごく新鮮でずっと見ていたい気分になりました。映像は柔らかさがあって、登場人物の体温が伝わってくるような感じでした。風景も懐かしい感じがしました。(電車からの風景や紅葉etc)桜色の毛糸を選ぶ春妃(小西真奈美さん)の幸せそうな表情が忘れられません。

歩太、春妃、夏姫、3人の気持ちの変化が上手く描かれていて妙に大袈裟な演出などが無かったのがよかった。歩太の真っ直ぐな心が眩しくて、切なかったです。料理を作る歩太、それを気にする春妃、、、 好きなシーンです。

テレビで放送されたドラマ「天使の梯子」を先に観たので私は現在から過去にさかのぼって3人の人生を知ったことになる。10年後の「救われた部分」を知ってるからこそ、 この映画を落ち着いて観れたのかもしれないなぁ。

人を想うことや、出逢いや別れは言葉で説明できなかったり、感情だけではどうしようもできないところがあってそれをどんなふうに受け入れていくか・・・・というのも人生であり、成長であるのかな・・と思います。誰かを失って、傷ついたり残されたりした人間も自分の人生を歩いていかなければいけないんですよね。

ラストの歩太役の市原隼人くんが絵を描くときの表情がすごくよかった。1歩を踏み出した歩太を観た時、清々しい気持ちになりました。
【10/23(月)】
夕刊に興行成績ベスト10が載っており「天使の卵」は8位に入っていましたね。私は原作を2回は読んでいたし、テレビの「天使の梯子」も見てから映画を観たので良くわかりましたが、原作を読んでいない人には多くの人が指摘していたように父親の死と春妃の突然の死をもう少し詳しく説明がないと理解できないようにも思えました。映像はきれいで小西真奈美、沢尻エリカがきれいで私は満足しました。(60代男 高校教師)
【10/23(月) 大阪 梅田ピカデリー 15:50の回】
平日の夕方という時間帯にもかかわらず 高校生からご年配の方まで幅広い年齢層の方でかなり座席は埋まっていました。しかも上映が始まって終わるまで会場は波を打ったようにし〜んと静まりかえり、みなさん作品世界に浸っていらしたようです。お洒落なオープニングに心を奪われ…「脚本 今井雅子」の文字に感激し…何だか落ち着かずソワソワワクワクドキドキ…のまま最後まで見続けました(微笑)。

市原隼人くん・小西真奈美さん・沢尻エリカさんの繊細な心の動きを表す素敵な表情に魅入られてしまいました。作品は勿論素晴らしかったですが…いまいさんがこの脚本を見事に書ききられたという事実にひたすら感慨を覚えていた私でした。今度は原作を読んでからじっくりと観てみたいと思います☆
【10/22(日) 池袋シネマ・ロサ】
池袋で見ました。「buku」のコラム「出張 いまいまさこカフェ」も読みました。映画は湿っぽさを極力排除した非常にドライなつくりで、いまの時代を見据えたテンポと構成だと思います。夜はテレ朝で続編の「天使の梯子」も観てしまって、一日、天使シリーズでした。

印象に残ったシーンは、やはり春妃と歩太が夜明けまで愛し合ったあと、春妃が窓外に向かって一筋涙をこぼしたところです。あそこに春妃 の喜びと、せつなさと、どう生きるべきかの逡巡と、妹夏姫への懺悔と、何ものかによる死への誘いと、すべて含まれていたように感じました。小西真奈美さんの背中からの色香もよかったし。

台詞は正確には覚えていませんが、「自分の幸せだけを考えるときが人にはいるのよ」といった春妃の台詞かなあ。最近、失恋して号泣する女 友達を半日かかって慰める(ただ泣き叫んでいるのをそばで聞いていた だけ…)という、この年になると滅多にない場面に遭遇して、人が幸せ をつかむときは周囲のことを考えていてはうまくいかないなあと実感したこともあって、この台詞がベストでした。 (50代男 雑誌編集者)
【10/21(土) 大阪】
なんだか独身時代の恋愛の感覚がよみがえってきて、すごく新鮮な気持ちになりました。悲しいお話ですが、最後はなんだかほんわりした気持ちで見終わることができました!これってすごい事ですよね?映画館を出てから、嫁さんと二人でカフェに入り、「てんたま」について楽しく話しをして充実の一日でした! (30代男 CM制作)
【10/21(土) ユナイテッドシネマなかま16 20:30の回】
天使の卵のストーリーから、女性客を意識した早めの時間のレイトショウだったこともあり、女性客が多かったです。180席ある7番スクリーンで、大勢のお客さんが来ていて、女性客が8−9割ほどを占めていました。カップルも5組程いましたが、殆どはOL、大学生、高校生などの女性のグループでした。カップルの連れ以外の男性客としては、3−4名程でした。小西真奈美ファン、沢尻エリカファンでしょうか。エンディングの後に映画館の廊下で、女性客のグループが歩きながら大きな声で熱心な討論をしている姿が印象的でした。(話の内容は聞いてはいけないことだろうと思い、敢えて聞いていません。)

今井雅子の紹介で原作「天使の卵」を読んだのは、忘れもしない今年の初め、自身初めて受ける手術(胆のう結石症による胆のう摘出手術)を控えた病院のベッドの上でした。物語終盤でヒロイン春妃に起こる突然の結末に、歩太だけでなく自分も茫然自失。心にぽっかりと穴が開き、翌日の手術がすごく不安になったのを覚えています。今井雅子に率直な感想をメール送信すると、帰ってきたのは「退院後に「天使の梯子」を読めばすっきりするよ。」との心温まる?返信メール。「天使の梯子」を読まずには、劇場版「天使の卵」を見ずには、自分は成仏できないぞと思いました。そのお陰もあってか、手術も無事成功し経過も順調、リハビリも精力的にこなして1週間で退院しました。退院後には本屋に直行し「天使の梯子」を購入、そして今回、念願の劇場版「天使の卵」を見ることができました。「天使の卵」は、自分の人生において決して忘れることのできない貴重大切な作品です。(35才男 電力会社勤務)
【10/21(土) 岡山】
予定通り、初日の1回目を観ることが出来ました。 まず触れたいのが、タイトルバックの見事さ。すごく洒落ており、目を見張らされます。 ここでは主な出演者やスタッフなど数人の名前しか出されない中、【脚本 今井雅子】のクレジットがしっかりとスクリーンにただ1人表示され、ちょっと感激してしまいました。「ジェニファ」のとき以上に目立っていたかもしれません。 パンフレットでも、【スタッフの想い】の項で1ページ丸々いまいさんの原稿が占めており、脚本家の厚遇ぶりが嬉しくなりました。その原稿の内容は━━「天使の卵」で描こうとした事が、いまいさん自身の身の上にも起こっていたというもの。ひと際実感のこもった文章でしたね。

先月公開された同ジャンル(ラブストーリー)の映画「シュガー&スパイス」は、柳楽くんがまだ子供すぎて(実年齢がそうなので仕方ありませんが)、沢尻エリカさんとのカップルが不自然に見え、いまいち乗れなかったのですが、本作の”市原・小西”コンビには違和感なく、物語にすっと入っていけました。 そもそも1年前に原作本を開いた時、既にキャスティングを知っており、2人を映像でイメージしながら読了していたということもプラスに働いたのでしょう。当時まだキャスティングが発表されていなかったのが、妹・夏姫役の沢尻エリカさん。ファンである彼女の出番が、原作の数倍に増えていたのは、何よりのプレゼント。すごく得した気分です。 4年後の夏姫の姿までも見せてくれ、大満足。 出来ればあまり観たくなかった敵役的な振る舞いはほとんどなく、姉・春妃役の小西真奈美さんとのダブルヒロインといった感じさえしました。

歩太(市原隼人)には、心惹かれる女性をすぐデッサンに変換して見てしまうという、美大をめざす若者ならではの癖が。 映画には何度か歩太がデッサンを行なうシーンが出てきて、見ものの一つになっていますが、あんな風なデッサンの仕方(画法)があるんですね。 当地の公開館(シネコン)では、残念ながら前売券が販売されずじまい。特典で付いてくる色鉛筆が欲しかったなぁ。映画を観ながら、久しぶりに何か描いてみたくなりましたから。 また、スクリーン上の人物の配置(構図)にも、絵画のようなこだわりが感じられたものでした。

こうして感想をまとめながら気づいたのが、歩太と春妃の言葉での愛情表現が対照的だったこと。 歩太はストレートに正面から、はきはき「好きだ!」と気持ちをぶつけていきます。女性なら誰でも、心がぐらりとなるのでは。 春妃は間接的な表現で想いを伝えます━━「夏姫が歩太を好きになった理由が分った」と。一番冴えていた台詞でした。

原作に登場する”天使の卵”はピアスでしたが、映画化に当り、文字通り”卵【偽卵(ぎらん)】”に変えたのは、映像面でも物語においても効果的なアイデアだったでしょう。 ”天使の卵”の意味合いが鮮明になり、2人の愛を象徴する存在ともなっていました。デッサンは光と影が生命。 映画も光と影が印象的でした。やわらかな光線に包まれた映画と言っていいでしょうか。 歩太は出会った瞬間から、春妃の中の光と影に魅せられていたんですね。 皮肉にも春妃の内部が光で満たされたとき、2人の間に大きな悲しみが・・・。

年後の歩太と夏姫を描き、ラストに再生のきざしを匂わせたのは、映画化する上での観客への思いやりもあった筈。原作通りの幕切れでは、悲しみが深すぎますし・・・。 お陰で、春妃と歩太の愛が最も美しい瞬間のまま記憶に残り続けることになりました。  また、こうすることによって、ドラマ「天使の梯子」へとつながっていくのでしょうね。 私が観た『MOVIX』には、今夜放送のその「天使の梯子」のチラシまで置かれてありました。 ほんとに映画と連動してるんですね。きっと違和感なく続編の世界に入っていけることでしょう。 歩太が4年ぶりに絵筆をとった「天使の卵」と題するラストのあの絵が、ドラマにも登場してくれればいいなと思っています。秋にふさわしい映画でした。

ドラマ「天使の梯子」も観ました。”梯子”とは、ああいう意味だったんですね。 続編となるドラマは、映画「天使の卵」から6年後の物語。それ故、歩太役・夏姫役とも別の俳優が演じるのは分るのですが、どうもしっくりこなくて、惹き込まれて観る、とはなりませんでした。嬉しかったのは、随所で映画の映像がかなり多く使われたこと。作劇上からも、また宣伝の意味からも当然そうすべきでしたが、よりドラマ版のキャストに違和感を抱く結果につながってしまい・・・。 それでも途中で視聴をやめたくなるほど致命的なものではなく、最後まで興味を持って観続けるぐらいの作品レベルは維持されていました。期待通りに、映画のラストで描かれたあの”肖像画”や、デッサン帳を登場させてくれたのは、評価ポイントの一つ。 それに何と言っても━━、今回の映画と連動した企画自体は高く評価したいものであり、好き嫌いは別にして、ドラマ化してくれて良かったと思います。

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