Masako Imai's Cafe

『月刊シナリオ』『月刊ドラマ』への寄稿  2006/01/23更新

『月刊シナリオ』の「作家通信」、『月刊ドラマ』の「ライターズ・コーナー」をはじめ、両誌への寄稿をまとめました。
『月刊シナリオ』2008年8月号 作家通信
◆NHK奈良主催の脚本コンテスト「万葉ラブストーリー」の第2回の審査を終えたところ。3本の受賞作(各10分)がドラマ化、放送されるというもので、9月に奈良にてお披露目のイベントを開催予定です。コンクールがきっかけでデビューして、9年。審査される側からする側に回った今、自分の書いた脚本が形になる感動を一人でも多くの人に味わってほしいと思っています。◆7月19日から27日まで埼玉県川口市で開催されるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭では、長編国際コンペティションの5人の国際審査員の一人として、はじめて映画祭の審査員を務めます。ノミネート作品12本を一週間で見るというハードスケジュールですが、作品も含めて、どんな出会いが待ち受けているのか楽しみにしています。◆脚本は、もう少ししたら新作を発表できる見通し。脚本以外にも友人の絵師ミヤケマイの作品集第2弾『ココでないドコか』にコメントを寄せたり、池袋シネマ振興会のフリーペーパーbukuにエッセイ「出張いまいまさこカフェ」を連載したり、ちょこちょこ書いています。また、2004年に刊行された『ブレーン・ストーミング・ティーン(Brain Storming Teens)』が「ケータイ読書館」にて配信開始。女子高生トリオが広告業界で活躍する青春小説で、2006年にテレビ朝日でドラマ化(『ブレスト〜女子高生、10億円の賭け!』)され、今でもファンレターが届く作品です。日記もほぼ毎日更新。いまいまさこカフェ(masakoimai.com)にお立ち寄りください。

『月刊シナリオ』2007年12月号 作家通信
8月に1歳になった娘を保育園に預け、脚本の仕事を続けています。子育てを経験してのいちばんの変化は、不測の事態に対して大らかになれたこと。とはいえ、書けども書けども産後第一作をなかなか発表できないのはもどかしいですが、歌詞を手がけた食べものソングが二つ形になりました。『家族みんなで長生トマト』とモランボンの『なべ・なべ・鍋にしよう〜おすすめはキムチチゲ!』。他にはNHK奈良の「万葉ラブストーリー」脚本募集の審査員を務めたり、『風の絨毯』のプロデューサー・益田祐美子さんの紹介で愛知工業大学にて一日講義をしたり。池袋シネマ振興会のフリーペーパーbukuに連載中のエッセイ『出張 いまいまさこカフェ』は5杯目に。更新が滞りがちですが、 masakoimai.com(いまいまさこカフェ)でも近況をお知らせしています。
『月刊シナリオ』2006年3月号 作家通信
■昨年7月までコピーライターとして勤めた広告会社での実体験をふくらませた小説『ブレーン・ストーミング・ティーン』(いまいまさこ著)を原作にしたスペシャルドラマ『ブレスト〜女子高生、10億円の賭け!』が1月8日テレビ朝日で放送され、「見たよ!」の反響でにぎやかな年明けとなりました。■次は、3月18日公開の映画『子ぎつねヘレン』(原作・竹田津実)。笑って、泣けて、いのちが愛しくなる物語です。2月末文芸社より発売予定の絵本『子ぎつねヘレンの10のおくりもの』のストーリーも書きました。田中伸介さんのあたたかいイラストも素敵な一冊。「おくりもの」にぜひ。他にもノベライズ、ビジュアルストーリーブック、DVD『子ぎつねヘレンとゆかいな仲間たち』『子ぎつねへレンができるまで』など関連グッズが続々。私的には「きつね年」な一年になりそうです。■村山由佳さんのデビュー作にしてベストセラーが原作の映画『天使の卵』は10月公開予定。他にも映画をいくつか準備中です。いまいまさこカフェ(www.masakoimai.com)にも遊びにきてください。

『月刊シナリオ』2005年5月号 作家通信
■突然ですが皆さん、ガーナと聞いて何を思い浮かべますか。わたしはチョコレート、それからチョコレート、チョコレート。そんな国の脚本家JOHN SAGOAさんが初の日本ガーナ合作映画のシナリオを共同執筆する日本人脚本家を探していると聞いて手を挙げました。「デビューがラジオドラマ、教育に関心がある」というプロフィールに惹かれたのです。メールをやりとりしながらシノプシスを作っているところですが、海外文通感覚でとても楽しい作業です。タイトルは『PACIFIC CHOCOLATE』。シナリオ作りも順調に進みそうですが、いちばんの問題は資金繰りでしょう。求む、スポンサー様です。■NHKFMの青春アドベンチャー(平日22時45分から23時・再放送翌週17時45分から18時)で再放送が続々決定。『アクアリウムの夜』は稲生平太郎原作の青春ホラーファンタジーを脚色。4月11日から全10話。オムニバス作品 『不思議屋旅行代理店』の第1話『ランゲルハンス島の謎』(4月25日)と第10話『過去に架ける虹』(5月6日)とあわせてどうぞ。他に映画を何本か準備中。くわしい近況はwww.masakoimai.comにて。■ところで友人の友人、NY在住の台湾人画家リン・シィパオさんが、愛知万博で展示する作品(平和を祈る凱旋門を模した門)製作にあたり、一般の方々から使用済みのペンの寄付を募っています。「6月までに20万本」の目標にまだ足りないそうなので、ペンを持つ皆様にこの場を借りて宣伝を。くわしくはwww.linshihpao.comにて。

2005年春はなぜか立て続けにラジオドラマの再放送が決定。お知らせしたいものがあるときに折良く「書きませんか」の声がかかると、ありがたや。
『月刊ドラマ』2005年2月号 ライターズ・コーナー
■2004年の目標は、「金持ちではなく、人持ちになる」でした。念ずれば通ずなのか、おかげで例年にも増して出会いに恵まれた年となりました。インターネットのリンクに似て、知り合いが知り合いを呼んで倍々ゲームで人脈が広がっている感覚があります。でも、トコロテン式にこれまでのつきあいがおろそかにならないよう気をつけたいもの。昨年の大きな変化といえば、小中学校時代の同窓会を開き、ほぼ20年ぶりに同級生たちと再会したこと。専用サイトも作り、今では毎日のようにネット同窓会を楽しんでいます。高校、大学、就職、シナリオ……と時代を経るにつれ、どんどんまわりが似た者同士になってきているせいか、バラエティに富んだ同級生たちの視点は新鮮で、ここにも何かネタがありそうな予感。2005年も人とのつながりの中で発見したこと、心を動かされたことを作品に込めていきたいと思います。■さて、今年は大正14年にラジオ放送がはじまって80年の節目の年。奇しくも大正15年に昭和1年になったので、昭和80年でもあります。というわけで、『昭和八十年のラヂオ少年』というNHKFMシアターのラジオドラマを書きました。ラジオの歴史にはかなり詳しくなりましたが、掘ってみると魅力的な史実が続々出てきて、削るのがいちばんの苦労でした。放送記念日の3月22日近くに放送されるとタイムリーなのですが。■他にも映画、テレビ、キャラクターなどいろいろ動き出しています。さあ企画たち、世に出るまで走り抜くのだ。青春広告小説『ブレーン・ストーミング・ティーン』(文芸社 いまいまさこ著 ISBN: 4835573757)は、読者の口コミだけで売れ続けています。アマゾンのランキングも発売当初より上昇中。今から読んでも遅くありませんよ。くわしい近況はwww.masakoimai.comにて。

月刊ドラマのライターズ・コーナーは顔写真つきで掲載されるのですが、いつまで経ってもパコダテ人公開のときの写真のまま年を取りません。
『月刊シナリオ』2004年10月号 作家通信
■オリンピックを見ていて思い出した。小学校の卒業文集で「体操選手になる」と宣言したっけ。当時、器械体操を習っていたのだが、宙に浮く恐怖を越えられず、上達は止まってしまった。夢は舞台女優、画家、手話通訳と転々とし、回りまわってコピーライターになり、脚本家になり、今は頭をぐるぐる回転させる毎日。引っくり返るスリルも味わえるし、離れワザも注文されるし、アクロバティックな仕事には変わりない。■「いまいまさこ」の名前で出したはじめての本、『ブレーン・ストーミング・ティーン』(文芸社)は、なりたいものが見つからない女子高生が広告会社のブレーンにスカウトされ、空白の未来に少しずつ夢を描きこんでいく青春広告小説。口コミだけで売れ続け、現在3刷。幸運を呼ぶ本という噂が読者の間で囁かれていて、著者本人も仕事が立て続けに舞い込み、売れっ子状態。どれも企画段階なので、成立しないことには運気上昇ジンクスは証明できないけれど、元気とやる気は出ることうけあい。全国どこの書店からでも取り寄せられるので、ぜひ。■映画『ジェニファ』(監督・三枝健起 出演・山田孝之ほか)はビデオレンラル開始、DVD発売中。あいかわらず、書くことで出会う人や出来事に燃料を補給されながら走り続けている。どうやったらプロになれますかという質問をよく受けるので、答えになるコンテンツを準備中。くわしくは、いまいまさこカフェ(www.masakoimai.com)にて。

すきあらば『ブレーン・ストーミング・ティーン』を売り込んでいました。
『月刊ドラマ』2004年4月号 ライターズ・コーナー
■発光ダイオードの判決報道で「発明のお値段」が脚光を浴びましたが、シナリオの世界もアイデア勝負。「いい企画を出せばごほうびがついてくる」と信じて書いています。コピーライターと二足の草鞋ですが、このたび、広告業界での体験をふくらませ、「いまいまさこ」の名前ではじめての本を出します。タイトルは『ブレーン・ストーミング・ティーン』。帯のキャッチは「16才。アイデアのお値段は10億円!」。コンプレックスだらけの女の子が広告代理店のブレーンになって活躍する青春広告小説です。高校生に、就活中の学生さんに、連ドラの原作をお探しの関係者におすすめです。4月1日、文芸社より発売。書店にない場合はご予約を。■映画「ジェニファ」(監督・三枝健起 出演・山田孝之ほか)はテアトル新宿にて初夏レイトショーの予定。公式サイトwww.jenifa.jpもそろそろオープンします。くわしい近況はwww.masakoimai.comにて。

同じ号のライターズ・コーナーに作家であり脚本家である大道珠貴さんが載っていて、一方的に喜んでいました。
『月刊シナリオ』2004年6月号 私がすすめるシナリオ習得法

「ひとりブレスト」上達法 今井雅子

先日、「ブレーン・ストーミング・ティーン」という小説を出しました。タイトルにある「ブレーン・ストーミング」とは、脳みそに嵐を起こすこと。わたしが二足の草鞋を履いている広告の現場では、この「ブレスト」をよくやります。各自が持ち寄ったアイデアが刺激し合い、化学反応を繰り返しながら「突き抜けたアイデア」を探る作業。映画やドラマでは監督やプロデューサーとあーでもないこーでもないと言いながらシナリオを練っていきますが、これもブレストです。主人公のキャラクターはどうする? 出会いのシーンは? ラストは?……頭の中の引き出しをひっかき回し、ベストな答えを選び取っていきます。コンクールや持ち込みのためのシナリオを書いている人は、「ひとりブレスト」です。書き方では差はつきにくいので、ライバルが持っていない切り口をいくつ持っているか、アイデア勝負。そこで、コピーライター修行時代からわたしがやっている「頭の引き出しを充実させる」方法をいくつか紹介しましょう。
【何事も脳みその栄養】映画、本、人に会うこと、イベントに参加すること、仕事、ボランティア、何でもネタになる。新しいもの、面白いものにアンテナを張っておく姿勢も大事。ムカつくことがあっても「ネタにしてやる!」と思えば怒り半減。ストレス解消にも。
【台詞の先生だらけ】電車やカフェなどで耳に入ってくる会話は、生きた台詞のお手本。どういう人がどういう話し方をするのか、どんなときに人は喜び、怒り、嘆くのか。声を聞いて、顔を想像してから見てみるのも面白い。頭のテープレコーダーを回しておき、どんどん保存。
【脳みその出張所】新聞記事をファイルしたり、気になる言葉を書き留めたり、日記をつけたり。後々役に立つこともあるし、情報を整理することで頭も整理。脚本家デビューのきっかけとなった『雪だるまの詩』は、週刊誌で知った「ウェルニッケ脳症」を取り上げたことが受賞の決め手に。
【言葉遊び】だじゃれ、回文、押韻、ことわざ、面白い言い回し、外国語……言葉にアンテナを張っておくと、表現に幅が生まれる。映画デビュー作『パコダテ人』は、「○をつけると言葉がかわいくなる」と友人と遊んでいたのがネタに。
……以上、どれも「心がけ次第で、日々の生活をしながらできる」ことだと思います。また小説の話に戻りますが、アイデア出しのヒントが詰まったこの本で言いたかったのは、「宝物は自分の中にある」ということ。突然降ってくるひらめきも、夢に出てくる光景も、頭の引き出しから出てくるわけで、引き出しに入ってないアイデアは、頭をいくら振っても出てきません。いいシナリオの原石は、あなたの中にある。それを育てて、磨いて、あなたにしか書けない作品を書いてください。

「私がすすめるシナリオ習得法」を教えてくださいというアンケートに答える形で書いたもの。副題は「プロの脚本家がシナリオの勉強法についてアドバイス」。掲載された人それぞれの勉強法を見ると、あらためて、近道も王道もないけれど、今進んでいる道がプロへの道なのではという気がしました。
『月刊シナリオ』2003年 作家通信
広告代理店のコピーライターをしながらシナリオライターをするようになり、4年経った。打ち合わせを就業時間外の夜や週末にさせていただくなど、ご迷惑をおかけしながらダブルライター生活を続けている。「もっと時間があれば、もっと書けるのに」と言ってくださる方もいるが、コピーと脚本、それぞれの仕事がネタと刺激を与えあう環境は捨てがたいし、互いにいいガス抜きにもなっている。最近ではコピーの仕事で日本冷凍食品協会の冷凍食品ソング『冷凍マイナス18号』の作詞を手がけたが、以前脚本と作詞で関わったNHK特番『真夜中のアンデルセン』の経験を活かすことができた。歌に合わせてキャラクターも開発したが、その性格づけには日頃の修行が役に立った。マスコミへの売り込みには、映画『パコダテ人』『風の絨毯』でできたパイプを活用させていただいている。10月31日まで「「映像つきCD&飛び出す絵本」が当たるプレゼントキャンペーンを実施中なので、ぜひ日本冷凍食品協会ホームページ(www.reishokukyo.or.jp)にアクセスを、とここでも宣伝。シナリオでは映画『JENIFA』(監督:三枝健起 出演:ジェニファー・ホームズ 山田孝之ほか)を編集中。くわしい近況は「いまいまさこカフェ」(www.masakoimai.com)へ。

最初はJENIFA(英文タイトル)だったのですね。
『月刊ドラマ』2003年11月号 「コンクールに挑戦していた頃」第29回

チャンス!チャレンジ!チェンジ!

 challengeという単語の中には、changeがある。chanceの2つ目のcに手を伸ばした姿はchangeに似ている。

 高校2年のとき、学校の掲示板で公費留学生の募集を知った。選ばれれば、1年間タダでアメリカの高校に通える!外国への憧れも手伝って応募した。1次、2次と面接を通過するうち、アメリカで勉強したいという思いが高まっていった。最終面接に臨む頃には、何が何でもという気持ちになっていた。
 ラブレターを書くことで恋が募るように、チャンスに応募するということで、その夢を強く意識するようになるのだと知った。そして、チャンスを手にするのは、夢見るパワーであることも。

 競争社会だと聞いていたアメリカ。学校も小さな競争社会だった。選択した演劇のクラスには、みんなに役をあげましょうという感覚はなかった。欲しい役があれば、オーディションで勝ち取る。英語の発音が悪く、容姿も冴えないわたしにはまる役などなかった。だったら自分で作ってしまえ、と「変な英語をしゃべる東洋人」というキャラクターを作った。その役は採用されなかったが、「マサコはファニーだ」と何人かのクラスメートが認めてくれるきっかけにはなった。
 放課後のクラブ活動にも競争があった。中学時代にやっていたソフトボール部に入ろうとしたら、適性審査があるという。2週間のトライアウトの後、選抜メンバーの中にわたしの名前はなかった。
 運動会で順位をつけることすら議論になる横並びの国で育ったわたしには、戸惑うことが多かった。だが、さまざまな人種や民族が集まる国で、競争は「どんな人にもチャンスはある」という平等を生み出していた。
「チャンスが欲しければ手を挙げ、手に入れる」を繰り返すうちに、「自分は何がしたいのか」が見えてきた。そして、「与えられた」のではなく「勝ち取った」チャンスには力を尽くすことを実感した。

 アメリカ留学での発見は、美術のクラスで「天才」と呼ばれたことだった。日本では小中学校で絵の基本をたたきこまれる。それが思わぬアドバンテージになった。他の日本人留学生も天才呼ばわりされていたと知るのは後のこと。おだてられると調子に乗り、夢中で描いた。「君の絵には独創性がある。想像力をかきたてる。君はクリエーターだ」という美術教師の言葉が自信になった。
 日本に帰ると「美術の天才ではない」現実が待っていたが、作品を創りたい衝動は衰えなかった。標語やネーミングに応募するようになり、入賞を重ねた。コピーライターへの道が拓け、広告の世界に飛びこんだ。

 シナリオコンクールに応募するようになったきっかけは、公募誌に連載されていたシナリオ講座だった。課題を送ると、講師の新井一先生から直筆の添削が返ってきた。「面白い発想ですね。才能があります」。この言葉に舞い上がった勢いで書き上げたテレビドラマが2次審査まで残った。応募総数3千超から20分の1に絞られた計算。いけるかも、とさらに調子づいた。
 2本目の応募作『昭和七十三年七月三日』が函館山ロープウェイ映画祭(翌年、函館港イルミナシオン映画祭と改称)のコンクールで賞を取った。翌年、『雪だるまの詩』がNHK札幌放送局のオーディオドラマコンクールで受賞し、デビューにつながった。  映画デビュー作品『パコダテ人』の原作シナリオ『ぱこだて人』も函館のコンクールで賞を取っているが、映画化は受賞とは関係ない。審査員宅にあった応募原稿がたまたま前田哲監督の目に留まったのがきっかけだった。こんな幸運な出会いも、コンクールに応募したからこそ、である。
 恩師・新井一先生は一度もお会いできないまま亡くなった。先生は送られてきた課題すべてに返事を書かれていたという。先日読み返したら、「才能があります」とはどこにも書かれていなかった。わたしは何を勘違いしていたのか。でも、そのおかげでデビューしてしまった。命が燃えつきる間際まで見知らぬ後進を励まし続けた先生のあたたかさが、わたしに書く力を授けてくれたのだろう。
 シナリオライターへの道は、決して楽ではないかもしれない。だけど、どんな才能も 「わたしはここだよ」とアピールしなければ、埋もれるだけだ。どこかに自分と響きあう人がいると思うなら、その人に向かって書き続けるしかない。コンクールはみんなに厳しいという点で平等だし、そこに挑むことは夢を引き寄せることだと思う。

今井雅子 www.masakoimai.com
デビューのきっかけとなった『雪だるまの詩』が第26回放送文化基金賞ラジオ部門本賞受賞。作品は他に映画『パコダテ人』『風の絨毯』(共作:モハマド・ソレイマン)『Jenifa』、テレビドラマ『彼女たちの獣医学入門』『真夜中のアンデルセン』、ラジオドラマ『アクアリウムの夜』『夢の波間』、黒川芽以フォトブック『路地裏の優しい猫』キャプションなど。広告代理店のコピーライターでもあり、最新の仕事は冷凍食品ソング『冷凍マイナス18号』(www.reishokukyo.or.jp)の作詞。


なんだか自分に向けて喝を入れてるような言葉です。今も恩師・新井先生の存在は、わたしの書き続ける力です。
『月刊ドラマ』2002年10月号 ライターズ・コーナー
映画祭のシナリオコンクールに出した原稿が審査員の家に転がっていた。ひょっこり遊びに来た映画監督が見つけて、「撮りたい!」と電話してきた。はじめての脚本映画化作品『パコダテ人』(www.pakodatejin.com)は、こうして生まれた。コンクールには応募してみるものである。さらに、パコダテ人のロケ中に親しくなった人から日本イラン合作映画『風の絨毯』(www.cinemacafe.net/iran/)の話が舞い込んだ。神様はいるものである。そして、夢は思い続ければ叶うものである。お芝居を見るのが好きで、ミュージカルの仕事をやりたいと思っていたら、NHK夏の特番『真夜中のアンデルセン』の仕事がめぐってきた。NHKとの縁も札幌放送局のオーディオドラマコンクールがきっかけだった。書くことでどんどん世界が広がる楽しさを味わっているが、最初のドアは自分で見つけて、自分で鍵を開けるしかない。わたしの場合、ドアのありかも、鍵の開け方も、『月刊ドラマ』に教わった。まだまだ無名なわたしにも「どうやったら脚本家になれるんですか」「コンクール必勝法は何ですか」といった質問が寄せられるようになったが、「ヒントは月刊ドラマ(あるいは月刊シナリオ)の中に詰まっているよ」と答えることにしている。それから、「ヒントはあなたの人生の中に眠っているよ」とも。どんな経験も無駄にはならず、作品の血となり肉となり、ドレスやアクセサリーにもなる。これも脚本家の仕事の醍醐味だと思う。www.masakoimai.com 今井雅子

『月刊ドラマ』初登場のコメント。『月刊ドラマ』『月刊シナリオ』をテキストにシナリオを書き方を学んだわたしにとって、それに「載る」というのはとても感慨深いものがありました。『月刊シナリオ』初登場の2002年5月号のコメント「脚本家への道」は作品についてページへ。


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